オスグッド病は一度よくなっても、再発する可能性がある症状です。
「整形外科で『もう大丈夫』と言われたのに、しばらくしたらまた膝下が痛くなってきた…」
こうした不安を抱えて相談に来られる親御さんは実際に多くおられます。
なぜ、オスグッド病は再発しやすいのでしょうか。
どうすれば再発を防ぎながらできるだけ長くスポーツを続けられるのでしょうか。
再発の背景には、成長期ならではの骨の弱さ(成長軟骨) と、スポーツによる負担の積み重ね(オーバーワーク) の2つが深く関わっています。
この記事では、オスグッド病(正式名称:オスグッド・シュラッター病、以下オスグッドと書きます)について、下記を出来るだけわかりやすくお伝えします。
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再発しやすい状態の特徴
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再発の前に出やすいサイン
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家庭でできるセルフケアや、練習の組み立て方のポイント
また、一度よくなったあとに再発したオスグッドが改善した感想動画や施術動画も紹介しています。
最後まで読んでいただくことで、「何となく不安…」というお気持ちを、「再発の仕組みを理解して、ある程度コントロールできる状態」に近づけるお手伝いができればと思います。
1. オスグッドは再発しやすいのか
オスグッドは、成長期の子どもに多い膝下のスポーツ障害です。
サッカー・バスケットボール・バレーボール・野球・陸上など、走る・跳ぶ動きの多い競技をしている子に特によく見られます。
ぎの整体院でもオスグッドは相談件数の多い症状です。
YouTubeの施術動画でもオスグッド関連の再生回数は上位を占めています。
整形外科や他の整体院で改善しなかったケースが、当院でプレー復帰までたどり着くことも多く継続的に問い合わせがあるテーマです。
そのなかで、痛みが落ち着いてきたタイミングでよく聞かれるのが、次の質問です。
「またオスグッドが再発することはありますか?」
1-1. 再発の可能性と成長期ならではの特徴
結論として、オスグッドは再発する可能性があります。
ただし、「一度よくなったら必ずまた悪くなる」という意味ではありません。
再発しやすい条件が揃っているかどうかが大きく関わります。
再発が起こりやすいのは、次のような状況が重なっているときです。
-
まだ成長期で、膝下の成長軟骨が残っている
-
試合や大会が続き、練習量や強度が急に増えた
-
柔軟性や筋力が不足していて、膝まわりに負担がかかりやすい
一方で、成長が進んで骨が大人の硬さに近づくと、オスグッドの再発リスクは少しずつ下がっていきます。
2. 再発を理解するための基礎
オスグッドの痛みが出る場所は、膝のお皿の少し下にある「脛骨粗面(けいこつそめん)」という部分です。
この部分が、オスグッドが進行すると出っ張ってきます。
その理由は、成長期の子どもにとって構造的に弱い場所だからです。
2-1. 成長軟骨とは何か(成長痛とは別)
まず知っておいてほしいのは、オスグッドと一般に「成長痛」と呼ばれるものは別のものだという点です。
「身長が伸びているから痛い」「成長のせいだから仕方ない」といった説明は、オスグッドには当てはまりません。
成長期の骨の端には、「成長軟骨」と呼ばれる、まだ完全に硬くなっていない部分があります。
-
成長軟骨が伸びることで、骨の長さが伸びていく
-
成長軟骨は大人の骨に比べて柔らかくモロい
-
脛骨粗面のすぐ下にも、この成長軟骨が存在する
太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)は、膝蓋腱を通して脛骨粗面に付着しています。
走る・跳ぶ・方向転換といった動作が多いスポーツを続けていると、この脛骨粗面が何度も強く上方向に引っ張られます。
その負担は、筋肉が付く成長軟骨に集中します。
脛骨粗面の成長軟骨が、強い引っ張りが続くことで傷み、痛みや骨の出っ張りとして現れるのがオスグッドです。
一方、大人の骨は硬くて頑丈なので、引っ張られてもびくともしません。
だから、成長軟骨が硬い大人の骨に置き換わると、同じ負荷がかかってもオスグッドのような状態は起こりにくくなります。
このため、オスグッドは「成長期に限って起こるスポーツ障害」とされています。
成長痛について詳しく知りたい方は、
オスグッドと成長痛の違い
もあわせて参考にしてみてください。
3. オスグッドが再発しやすい2つの軸
「一度良くなったのに、また同じ場所が痛くなる」
こうした再発には、はっきりとした理由があります。
3-1. 成長軟骨のモロさと運動量の関係
オスグッドが再発しやすい大きな軸は、成長軟骨のモロさと運動量の多さです。
成長軟骨は大人の骨に比べて衝撃や引っ張りに弱い構造です。
オスグッドが改善しても、成長軟骨そのものが急に強くなるわけではありません。
そこに、例えば次のような状況が重なると再発のリスクが高まります。
-
大会や合宿などで、ダッシュやジャンプの回数が急に増えた
-
学年が上がる、チームが変わる等で練習量が増えた
こうした状態が続くと、太ももの前の筋肉が疲れて縮み、脛骨粗面を再び強く引っ張るようになります。
成長軟骨が残っているあいだは、そのたびに同じ部分がダメージを受けます。
そのため、オスグッドが何度でも再発する可能性があるのです。
3-2. 複数の要因が重なって起こる(1つだけが原因ではない)
「柔軟性もあるのになぜオスグッドになったの?」
「うちの子よりたくさん練習している子は平気なのに、なぜうちの子だけ…?」
こうした質問を来院された親御さんから多く受けます。
この違いを理解するカギになるのが、オスグッドは1つの原因だけで起こらない。
複数の要因が重なり膝下に負担が集中する状態になっているという点です。
よく見られる要因には、次のようなものがあります。
-
練習量や試合数が多く、からだの回復が追いつきにくい
-
太ももやお尻、体幹などの筋力が足りず、膝に負担が集中しやすい
-
柔軟性が不足していて、股関節や足首が十分に動かない
-
走り方・ジャンプの仕方・着地の仕方など、からだの使い方のクセがある
着地のときの衝撃を膝だけで受けてしまっている子もいれば、足首や股関節もうまく使って衝撃を逃がせている子もいます。
同じ練習量でも、衝撃を膝だけで受けているのか、からだ全体で分散できているのかによって、膝にかかる負担は大きく変わります。
筋肉や柔軟性は衝撃を和らげる役割もあります。
そのため、筋力や柔軟性が高ければオスグッドにはなりづらいです。
しかし、膝に負担がかかる身体の使い方をしていればオスグッドになる可能性は高くなります。
そのため、同じチームで同じ練習をしているのに、オスグッドになる子とならない子がいる。
筋力も柔軟性もあるのにオスグッドになるといったことが起こります。
大事なのは、「運動量だけが悪い」という考え方ではありません。
運動量に対して、その子に合った筋力・柔軟性・からだの使い方になっているかどうかという視点を持つことです。
オスグッドが改善しても、これらの要因がそのまま残っていればいるほど再発のリスクは高い状態が続きます。
逆に言えば、改善後にこれらの要因を少しずつ減らしていくことで、「同じくらい練習しても再発しにくい状態」に近づけていくことができます。
4. 再発予防のためのセルフケア
「オスグッドが再発したとき、自宅では何をすればいいですか?」
こうした質問もよくいただきます。
再発予防を考えるときには、痛みが出ている時期のケアと、痛みが無い時期のケアを分けて考えることが大切です。
4-1. 痛みが出る時期に避けたいストレッチと対処法
オスグッドのセルフケアとして、太ももの前のストレッチがよく紹介されます。
ただし、再発して痛みが強い時期や、膝下が腫れて熱を持っているような時期には、やり方によっては逆効果になることがあります。
避けておきたいのは、次のようなストレッチです。
-
痛みを我慢しながら、かかとをお尻に近づけるほど強く膝を曲げるストレッチ
-
ストレッチ中に脛骨粗面がズキッと痛むのに、回数や時間を増やしてしまう方法
これらは、すでに炎症を起こしている脛骨粗面に、さらに引っ張りのストレスをかけて悪化や改善が遅くなるおそれがあります。
痛みが出ている時期は、次のような対応を基本にしてください。
まずは、痛みが出ない範囲での膝の曲げ伸ばしを行う。
深くしゃがみ込む動きやジャンプ・ダッシュは控えめにします。
柔軟性を上げるための強いストレッチや筋トレは予防には効果的です。
でも、痛みが出ている段階では予防のケアはレベルが高くて行うには早過ぎる。
身体に状態に合ったレベルで行うことが重要です。
オスグッドで痛みがある時は
オスグッド(重症)のセルフケア
でも詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
動画では下記から行ってみてください。
やり方や考え方が理解できれば応用編です。
オスグッド再発予防には応用編のレベルが合っています。
一番最後の片足で行う方法を試してみましょう。
でも無理して転倒しないように気をつけて下さい。
片足でしゃがんで痛みや違和感が無ければ、まだやらなくても大丈夫です。
違和感等があれば、レベルを落としていきましょう。
合うレベルの探し方は、痛みや違和感が全く無いレベルを見つける。
その1つ上のレベルで行いましょう。
5. 再発の前に出るサインを見逃さない
オスグッドの再発は、いきなり強い痛みとして出てくるわけではありません。
その前に、「何か少しおかしいな」というサインが出ていることが多いです。
5-1. 保護者が気づきやすい動きの変化
ぎの整体院に再発予防で来院されるケースでは、保護者の方が次のような少し動きの変化に気づいて連れてきてくれます。
本人は「まだ痛くない」「ちょっと違和感があるくらい」程度です。
-
守備の姿勢が前より少し高くなり、腰がしっかり落ちていない
-
ジャンプの着地後の動きが重く見える
-
階段の下りで、わずかに片脚をかばっているように見える
こうした小さな変化は、膝に負担が偏り始めているサインである場合があります。
この段階で、練習量や強度を一時的に少し落とす、自宅でのセルフケアを見直すことで、オスグッドの再発が長引く前に食い止められる可能性が高くなります。
必要に応じて、専門家にチェックしてもらうのも良いタイミングです。
6. オスグッド再発を防ぐための日常と練習の工夫
セルフケアと同じくらい重要なのが、日常生活や練習の組み立て方です。
オスグッドは「膝だけの問題」ではなく、練習スケジュールやからだの使い方とも深く関係しています。
6-1. 練習量管理・フォーム・筋力の考え方
オスグッドの再発を防ぐうえで、特に意識しておきたいのは次のポイントです。
-
練習量を急に増やさない
休み明けや大会前に、練習量や強度を一気に増やすと、太ももの筋肉に疲労が溜まり、脛骨粗面への負担が増えます。
現実的に調整が難しい場合もありますが、可能な範囲で「少しずつ増やす」という意識を持っておくと安心です。 -
フォームやからだの使い方を見直す
股関節や足首がほとんど動かず、膝だけでブレーキや着地を受けているような走り方・ジャンプになっていると、膝への負担が大きくなります。
着地のときに、足首・膝・股関節の3つをうまく使って衝撃を分散できているかどうかがポイントです。
実際のフォーム修正は、チームの指導者やスポーツトレーナーに相談するのがおすすめです。 -
筋力づくりは「痛みが無い時期」に行う
オスグッドが再発しているタイミングで、強い負荷の筋トレを行うと、かえって悪化することがあります。
痛みが落ち着いてから、股関節まわり・体幹・足首まわりなどを中心に、その子に合った負荷で筋力をつけていきましょう。
日常生活では、睡眠不足や食事の乱れが続くと疲労が抜けにくくなり、結果的にケガや痛みが出やすい状態になります。
理想どおりには難しいご家庭も多いと思いますが、「試合前後はなるべく睡眠時間を確保する」「食事の時間帯が極端にずれないようにする」といった、小さな工夫からでも十分意味があります。
6-2. 定期的な整体で「痛みが出る前」に整える
オスグッドの再発を防ぐうえで、痛くなる前の段階で違和感を見つけて対処することはとても重要です。
実際に、ぎの整体院では「痛みが出てから」ではなく、まだ痛みを感じていない段階で来院される子どもも増えています。
特徴的なのは、本人よりも周りの大人のほうが先に気づくケースが多いことです。例えば、
-
野球の守備で、腰の位置が少し高くなり、自然と膝を曲げる角度が浅くなっている
-
走るフォームが、以前よりわずかに崩れている
-
バスケットボールでジャンプの着地後の動きが少し重い
といった具合に、本人には自覚がない程度の小さな変化を、親御さんや指導者が見つけて連れてこられることがあります。
このような段階では、膝の痛みはまだ出ておらず、成長軟骨や膝まわりの負担も「軽い偏り」にとどまっていることがほとんどです。
そのため、1回の施術で調整できることが多く、その後も練習を続けやすくなります。
逆に、本人がはっきり痛みを自覚してから来院された場合は、改善するまでに複数回の施術が必要になることがあります。
オスグッドを再発させないためには、「痛みが出たら整体へ行く」よりも、「痛み無し・違和感の段階」が再発予防として効果的で経済的と考えています。
定期的にからだの状態をチェックし、痛みを起こす前の初期のズレを整えておくことで、練習を続けながらオスグッド再発のリスクを大きく減らすことができます。
7. まとめ:オスグッド再発の理由を理解して対処する
最後に、再発オスグッドについてのポイントを整理します。
-
オスグッドは、成長軟骨が残っている間は再発する可能性がある症状
-
再発の背景には、「成長軟骨の柔らかさ」と「運動量(オーバーワーク)」に加え、筋力・柔軟性・からだの使い方など、複数の要因が重なっていることが多い
-
痛みがある時期に、無理なストレッチや過度なトレーニングを行うと悪化の可能性がある
-
小さな動きの変化や違和感に早めに気づき、練習量の調整やセルフケアを見直すことで、再発を防げる可能性が高い
-
痛みが落ち着いたあとに、筋力・柔軟性・フォームなどの要因を少しずつ整えて膝への負担を減らしていく
-
痛みが出る前の段階で違和感をチェックし、定期的に整体でからだを整えておくことも再発予防として有効
ぎの整体院では、オスグッドの痛みを改善するだけでなく、「その後の再発をどう減らしていくか」までを含めてサポートすることを大切にしています。
一度よくなったオスグッドが、また痛くなってきた
オスグッドについては下記も参考にして下さい。
オスグッド(重症)のセルフケア
オスグッドと成長痛の違い
「痛みを我慢して続ける」のではなく、膝を守りながら楽しめる状態を、一緒につくっていきましょう。
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