-
投球時に肩の奥や外側が痛む
-
インナーマッスルの補強をしても痛みが引かない
-
休んでいる間は良いが、投げ始めるとすぐに痛みが戻る
一般的に、野球肩の原因は「筋肉の炎症や硬さ」にあると考えられ、筋肉へのマッサージやストレッチが行われます。
しかし、それで改善されない方も多いです。
高槻市のぎの整体院では、野球肩の原因を筋肉に指令を出す「脳や神経」と考えています。
野球肩の痛みや可動域の悪さは、これ以上のダメージを防ぐために脳が肩を休ませようとかけている「ブレーキ」なのです。
今回は、脳がなぜブレーキをかけるのかという仕組みをわかりやすく解説します。
あわせて、投球動作の反復で神経が圧迫されやすい場所(クワドリラテラルスペース)や、野球肩を改善するための「腋窩神経ストレッチ」も紹介します。
一般的な筋肉へのアプローチで野球肩が改善しなかった方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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1. 野球肩や投球動作で使う主な肩の筋肉
投球動作は、筋肉の連動によって生み出したパワーを肩に集中させてスピードをボールに伝える非常に高負荷な動きです。
この激しい動きを支える「肩の筋肉」の構造を知ることは、野球肩のメカニズムを理解するための第一歩となります。
肩周りの筋肉は、表層の「アウターマッスル」と深層の「インナーマッスル」に分類されます。
1-1. 強いパワーを生み出す肩の「アウターマッスル」
アウターマッスルは、身体の表面に近い位置にあり、力を入れた時に盛り上がって見える筋肉です。
投球において強い推進力を生み出す役割を担います。
-
三角筋
肩全体を覆う大きな筋肉
腕を上げる、振りかぶる、前方に振り出す
などの大きな動きのパワーを生み出す -
上腕三頭筋
二の腕の後ろ側にある筋肉
リリース直前に肘を鋭く伸ばす際に働く
1-2. 関節をミリ単位で安定させる「インナーマッスル」
インナーマッスルはアウターマッスルの奥にあり、直接見ることはできません。
これらは「回旋筋腱板(ローテーターカフ)」と呼ばれ、投球の各フェーズで関節が破綻しないよう精密に働きます。
-
棘上筋
腕を上げ始める初動で働く
腕の骨が上にズレないよう、肩関節に強く引き寄せて安定させる役割 -
棘下筋
腕を外側に捻る(外旋)時に働く
ボールをリリースした後の「フォロースルー期」
前方に飛び出す腕を後ろから引っ張り急減速させる
「強力なブレーキ」として大きな負担がかかる -
小円筋
棘下筋と共に腕を外側に捻る働きを補助
特に肩関節の後下方での安定性に重要
後述する「クワドリラテラルスペース」も構成 -
肩甲下筋
肩甲骨の裏側に位置する唯一のインナーマッスル
コッキング期から加速期に、肩が後ろに反りすぎる(過外旋)のを防ぐブレーキとして働く
関節の前方の安定性を保つために重要
これらの筋肉の使命は、「遠心力で外に飛び出そうとする腕の骨を、肩関節の中心にしっかりと引き寄せ、ズレないように固定すること」です。
1-3. 肩関節を囲む回旋筋腱板(ローテーターカフ)
ローテーターカフの役割は、腕の骨を肩関節に引き寄せて安定させることだとお伝えしました。
身体の前後の図だけでは、安定させているイメージがつきにくいです。
そこで、肩関節を真横から見た「断面図」で確認してみましょう。
この図は、右肩の関節を横から見た状態です。
真ん中にあるのが肩関節のくぼみで、腕の骨(上腕骨)がはまります。
-
筋肉が関節を360度囲んでいる
4つの筋肉が肩関節の周囲をぐるりと覆う -
全方位から中心へ引き寄せる
4つの筋肉はすべて上腕骨に付く
4方向から肩関節の中心に引き寄せられる
投球時、上腕骨は猛烈な遠心力で外に飛び出そうとします。
それを4つの筋肉が前後・上下から中心(肩関節のくぼみ)に向かってギュッと引き寄せ、ガッチリと固定してくれているのです。
横からの断面図を見ることで、「全方位から引きつける」という仕組みがイメージしやすくなったのではないでしょうか。
脳の中で肩や腕がどのように認識されているかは
「ペンフィールドのホムンクルスとは?脳地図から紐解く痛みの根本原因」
で解説しています。
2. 野球肩改善のカギを握る「腋窩神経」の役割
腋窩神経は、脳から筋肉へ指令を伝える運動神経です。
また、肩の感覚を脳に伝える感覚神経の両方の役割を持っています。
腋窩神経は次の走行は下記の通りです。
-
首の付け根(腕神経叢)から始まる
- 肩甲骨の裏側を通る
-
上腕骨の付け根を後ろ側からぐるりと巻き付くように走る
- 最終的に肩の筋肉の中へ入り込んで停止
腋窩神経は途中で「筋肉の隙間」を通り抜けます。
ここで圧迫が起きることが、野球肩の痛みを長引かせる物理的な要因となります。
2-1. 運動神経:三角筋と小円筋のコントロール
腋窩神経は、前述した筋肉のうち以下の2つに「動け」という指令(出力)を届けています。
-
三角筋(アウターマッスル)
腕を力強く上げる
前方に振る -
小円筋(インナーマッスル)
腕を外側に捻る
肩関節を後ろ側から支える
投球動作は「腕を上げる」「腕を捻る」という動きの連続です。
腋窩神経の伝達がスムーズでなければ、脳からの運動指令がこれらの筋肉に正確に届きません。
その結果、投球フォームが崩れたり、特定の部位に過剰な負担がかかったりしてしまいます。
2-2. 感覚神経:肩の外側の感覚を脳へ届ける
腋窩神経は筋肉を動かすだけでなく、「肩の外側の皮膚感覚」を脳へ届ける感覚神経としての役割も担っています。
野球肩で、次の場合は腋窩神経からのSOS信号である可能性が高いです。
-
肩の外側(三角筋のあたり)が痛む
-
肩の外側(三角筋のあたり)のしびれ
このように、腋窩神経は野球肩における運動神経と感覚神経の両面から関わりが深い神経です。
3. 腋窩神経が圧迫される場所:クワドリラテラルスペース(QLS)
野球肩の改善に重要なのが、腋窩神経が通り抜ける「クワドリラテラルスペース(Quadrilateral Space:QLS)」と呼ばれる場所です。
日本語では「四辺形間隙(しへんけいかんげき)」と訳され、その名の通り4つの組織に囲まれた「四角い隙間」のことを指します。
3-1. クワドリラテラルスペースを構成する4つの境界線
クワドリラテラルスペース(QLS)は、以下の4つの部位によって四方を囲まれています。
-
上:小円筋
-
下:大円筋(脇の下にある筋肉)
-
内:上腕三頭筋(長頭)
-
外:上腕骨
腋窩神経は、この狭い四角いスペースを通り抜けて、肩の筋肉へと向かいます。
これらの筋肉が一つでも硬くなると、クワドリラテラルスペース(QLS)は狭まってしまいます。
3-2. 投球動作がQLSクワドリラテラルスペースを狭くする
野球の投球動作(投球や送球)では、肩関節にとって非常に負荷の強い動きが繰り返されます。
-
腕を横から上げる(外転)
-
腕を外側や内側に捻る(外旋・内旋)
これらの動作を繰り返すと、クワドリラテラルスペース(QLS)のスペースは物理的に狭くなります。
激しい投球練習によって周囲の筋肉が過剰に働いて硬くなると、クワドリラテラルスペース(QLS)内での腋窩神経の圧迫が慢性化します。
腋窩神経が圧迫されると、単に「そこが痛い」だけでなく筋肉への運動指令も妨げられます。
神経の圧迫と症状の関係については
「感覚のエラーが痛みの根本原因」
で詳しくお伝えしています。
4. 野球肩を改善する腋窩神経ストレッチの考え
高槻市や茨木市で「毎日入念にストレッチをしているのに、投球時の痛みが変わらない」と野球肩に悩まれている方も多いです。
一般的なストレッチの多くが「硬くなった筋肉を伸ばすこと(出力への対処)」を目的としているからです。
野球肩を根本から変えるには、筋肉へ指令を送っている「脳の判断」を変える必要があります。
神経ストレッチ全体の目的や考え方については
「神経ストレッチの目的」
で解説しています。
4-1. 脳が「ブレーキ」をかける3つのステップ
肩の動きは、常に脳による以下の3ステップで制御されています。
-
入力
肩周辺の神経が、筋肉の緊張度などの情報を脳に送る -
解釈・判断
届いた情報を分析し、「投げても大丈夫か」判断する
危険なら強制的に防衛反応(ブレーキ)をかける -
出力(防衛反応)
筋肉への強制的なブレーキ「筋肉を固くする」
痛みを出して安静を促す
筋肉をいくら揉みほぐしても、脳が「危険」と判断し続けている限り、筋肉を固めるブレーキ指令が出てしまうのです。
脳が受け取る情報の種類については
「脳に入力される情報3分類」
で解説しています。
4-2. 野球肩を引き起こす入力情報
脳がブレーキをかけてしまう最大の理由は、情報の**「入力エラー」**にあります。
-
不正確な情報
しびれ等があると正確に感じることができない
神経の圧迫等により正確に情報を送れない -
悪い情報
肩の筋肉の過緊張
肩の痛み・しびれ
「また痛むのではないか」という不安
不正確な情報では、脳は肩の状態を正確に把握できません。
悪い情報は、肩を動かさずに休ませて方が良いと判断します。
これらの情報から肩の状態は危険と判断して防衛反応を出します。
これらの「入力」が改善されないまま筋肉だけを無理に引き伸ばそうとすると、脳はさらに強い防衛反応(痛みや緊張)を出して肩を守ろうとします。
4-3. 腋窩神経ストレッチで脳の判断を書き換える
腋窩神経ストレッチを行うことで、脳内では以下のような変化が起こります。
-
正確な情報の入力
「3/10」程度の弱い刺激に意識を向けて正確に感じる
弱い刺激を正確に感じることが、正確情報の入力となる -
「安全」判断へ切り替える
正確な情報が届くことで、肩の状態を正確に把握できる
正確に把握することで危険から安全に判断を切り替える -
防衛反応(ブレーキ)の解除
「筋肉を固める」「痛み」などの防衛反応を解除する
脳の判断が変わって筋肉の緊張が抜けると、クワドリラテラルスペース(QLS)での圧迫も解消されることが期待できます。
大切なのは、筋肉を力任せに引き伸ばすことではなく、脳が「もう守る必要はない」と安心できる情報(入力)を届けることです。
それこそが、長引く野球肩を根本から変えていくための鍵となります。
5. 野球肩改善のための腋窩神経ストレッチ【実践】
腋窩神経ストレッチの注意点です
-
刺激は「3/10」の弱さで十分
10段階中3程度の「かすかに神経の張りを感じる」くらい -
「感じる」ことに意識を集中させる
形を真似するだけでない
肩の後ろから腕の外側にかけて「ピリピリ」「ジワー」といった感覚を感じる -
痛いところまでやらない
途中で痛みが出る場合は、その手前のポジションで止める - 野球肩の症状を確認
最初にどの動作で痛み・動かしにくさが出るかを確認
腋窩神経ストレッチ終了後に改善されたかを確。
少しでも改善があれば効果有るので継続する
5-1. 腋窩神経ストレッチのポジション作り
腋窩神経にテンションを感じられなければ下記の方法を試してみましょう。
-
意識してもう一度やり直す
-
ポジションに持ってくる順番を変えてみる
(首を倒す→肩を下げる→肘を曲げる→内捻り等)
5-2. 腋窩神経ストレッチのテンションの出し入れ
腋窩神経ストレッチでテンションをかけられたら次はテンションの出し入れを行います。
テンションを抜いたり、入れたりですね。
ポジションを作った逆の動作です。
再度、ポジションを作った時に同じ場所に刺激を感じて下さい。
感じられなければ、腕・肩・首などを微調整してください。
どの方法が良いかは人により異なります。
痛み・動作改善が出るものを探してみてください。
そのためにも、必ず前後で痛み・動作確認は行って下さい。
6. 腋窩神経を緩める方法
腋窩神経ストレッチで野球肩が改善しなければ、神経を伸ばす刺激が合わなかった可能性があります。
それなら、逆に腋窩神経を緩めてみましょう。
腋窩神経ストレッチと逆のポジションで緩める事が出来ます。
腋窩神経が緩むポジションで2〜3分程度キープしてみましょう。
緩めてる途中で痛み等の不調が出れば中止してください。
終わったら、痛みが出る動きが改善されているか確認してみましょう。
7. 高槻市で「治らない野球肩」を根本改善するために
今回の腋窩神経ストレッチは、脳への入力を変えることでそのブレーキを解除する有効な手段です。
ただし、野球肩の痛みは肩以外に原因があることも多いです。
例えば、膝が悪ければ土台が安定せず、投球時に上半身がブレて結果的に肩へ過剰な負担がかかります。
高槻市の「ぎの整体院」では肩周辺だけでなく、全身のバランスを調整することで、脳が「もう肩を固めて守る必要がない」と思える状態を整えていきます。
当院はJR高槻駅から徒歩4分(高槻阪急スクエア向かい)、阪急高槻市駅からも徒歩12分の場所にあります。
高槻市の脳神経学ベースの整体「ぎの整体院」
高槻市や茨木市で野球肩にお悩みの方はお任せください。
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