整体院をしていると、たまに言われるのが、
「整体の効果って思い込みで、プラシーボ(効果)でしょ。」
今回はこの思い込みであるプラシーボ(効果)について神経学の視点から解説していきます。
プラシーボ(placebo)と書くのでプラセボとも言います。
つまり、プラセボ、プラセボ効果も同じ意味です
結論として
整体は「プラシーボ」では無いけど、「プラシーボ効果」は有る。
この意味をしっかり説明していきます。
プラシーボとプラシーボ効果の意味
英語の「please」と語源が同じです。
これを効果のある薬と伝えて使用します。
偽薬(プラシーボ)を服用しても、症状改善や副作用の効果が出る事です。
また、偽薬(プラシーボ)なのに、副作用が出ることもノシーボ効果です。
プラシーボ効果は強い思い込み
プラシーボ効果が起こる理由は医学的には解明されてないです。
医学的に解明されていないからと言って完全否定するのは勿体無いですよね。
僕は強い思い込み(気持ち)が重要だと考えています。
痛み等の症状は気持ちによっても変わります。
良い変化の例として
友達との会話等の楽しい時間では痛みを忘れていたりマシになる等。
悪い変化の例として
学校に行きたくない子供が玄関で急に腹痛になる等。
本人の意思に関わらず、強い思い込みが体調の変化として出ています。
プラシーボ効果の例
交通事故による腰痛で以前に来院されていた男性のお話です。
保険の関係で整形外科にも通われていました。
その方は、
メッチャ楽になる湿布の貼り方を発見した。
腰とお尻に大量の湿布をこの形に貼るとすごい楽になる。
そのために、整形外科で毎回大量の湿布を処方してもらっている。
と話されていました。
その効果を整形外科の先生に伝えたら
「湿布にそこまでの効果は無い」
と一刀両断されたと笑っていました。
湿布も消炎鎮痛薬なので、まさに偽薬(プラシーボ)の思い込みによるプラシーボ効果ですよね。
プラシーボ効果が出る理由
医学的にはプラシーボ効果が起こる理由は解明されてはいません。
でも、僕が勉強している神経学の視点からプラシーボ効果が起こる理由は説明可能です。
症状は脳が作る
脳には3つの役割があります。
入力=身体の情報を受け取る
解釈=入力情報から身体に最適な方法を考える
出力=筋肉・心等に解釈通りに動くように指令を出す
この3つがグルグル循環しています。
交通事故による腰痛の方を例にすると
入力=身体からダメージを受けていると脳に入力
解釈=動かすのは不安。痛みを出して動きを制限しよう
出力=筋肉等に動かすと痛みを出すように指令
痛み等の症状は脳の不安が作り出しています。
心(思い込み)も入力情報の一つ
脳の3つの役割の入力は、実は身体の情報だけでは無いです。
心の情報も脳に入力されます。
この心の情報が思い込みです。
入力=独自開発した湿布の貼り方はメッチャ効く
解釈=メッチャ効くから安心
出力=プラシーボ効果
脳に良い情報を入力することで、脳を安心させます。
脳が安心することで痛みを出す必要が無くなります。
これがプラシーボ効果の正体です。
プラシーボ効果は積極的に利用しよう
交通事故の方の様に、同じ湿布を貼るなら効果を高く出したいと思いませんか?
たまたま、その貼り方をした時に痛みがマシになるタイミングだったかもしれません。
その結果、毎回マシになると繰り返し強く思いむ事でプラシーボ効果がどんどん高く出るようになったのかも‥。
症状が早期改善する方の考え方として少しでも改善した事に目を向ける。
と言うのがあります。
例えば
前は一歩目から激痛だったのが、一歩目の痛みが少し楽になった。
この様に考えられる方ですね。
逆に痛みに目を向けている方は
また一歩目から痛い。
同じ痛みでも、どんな情報を脳に入力するかで解釈は変わります。
水の残りをどう捉えるかと似ていますよね。
良い方に考えた方が気持ちも楽になります。
プラシーボ効果を使って整体効果アップ
最初に
整体は「プラシーボ」では無いけど、「プラシーボ効果」は有る。
と書きましたが、ここまで読まれた方は理解出来ましたよね。
分解すると
整体は偽薬(効果が無いもの)では無い。
でも、早期改善に繋がるプラシーボ効果は利用している。
となります。
症状改善にはプラシーボ効果を上手く使った方が早いです。
良いものはどんどん取り入れて効果を積み上げたいきましょう。
ただ、技術が低いプラシーボ整体師がいるのも残念な事実です。
そこはプラシーボ効果に騙されない様に気をつけましょう。
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