オスグッド改善にはストレッチ不要!痛みがある時に避けたい理由

オスグッド

オスグッド病で膝下が痛くなると、真っ先に紹介されるセルフケアが「太もも前のストレッチ」です。

ところが、真面目に続けているのに一向に良くならない。
むしろストレッチをしてから痛みが強くなったという相談もよくあります。

ぎの整体院としての結論は、「痛みがある時期のオスグッドに、太もも前を強く伸ばすストレッチは不要」。

このページでは、次を整理してお伝えしていきます。

  • なぜストレッチが合わないのか

  • いつならストレッチを検討しても良いのか

  • その代わりに何を優先した方が良いのか

1. オスグッド病のセルフケアで「ストレッチ」が選ばれやすい理由

最初に、なぜここまで「オスグッド=太もも前のストレッチ」というイメージが広がっているのかを整理します。

オスグッドの情報を調べたり、病院や部活で指導を受けると、ほとんどの場合「大腿四頭筋(太もも前)のストレッチをしておきなさい」と言われます。

その結果、多くの子どもが同じセルフケアを選ぶことになります。

1-1. 多くの子どもが取り組んでいる太もも前のストレッチ

オスグッド ストレッチ

代表的なのが、かかとをお尻に近づけていくストレッチです。
太もも前をしっかり伸ばす体勢なので、「筋肉に効いている気がする」「やった感がある」という特徴があります。

よく見かける状況としては、次のようなものがあります。

  • 部活や整形外科で「太もも前のストレッチを続けなさい」と言われ、そのとおりに頑張っている

  • 真面目な子ほど、「痛いけど我慢した方が早く治るはず」と信じて強く伸ばしてしまう

  • ストレッチをするとオスグッドの部分がズキッと痛むが、「効いている証拠」と思って続けている

真剣に取り組んでいるからこそ、「本当にそのやり方で合っているのか?」を一度立ち止まって考えてみることが大切だと感じています。

1-2. 今回の結論

ぎの整体院としての結論は、とてもシンプルです。

  • オスグッドの痛みがある時期は、太もも前を強く伸ばすストレッチは不要

  • むしろ、痛みを我慢して続けると、悪化や長期化につながるリスクがある

そのうえで、「いつならストレッチをして良いのか」「やるならどのような形が望ましいか」を順番に整理していきます。

2. オスグッドにストレッチが合わない理由

ここからは、「なぜ痛みがある時期のオスグッドにストレッチをすすめないのか」という根本的な理由を説明します。

キーワードになるのが、筋肉が自分を守ろうとする反応と、筋肉の状態をゴムと布にたとえた考え方です。

2-1. 伸張反射と「守ろうとする筋肉」の反応

筋紡錘 

筋肉の中には、「どれくらい伸ばされているか」を感じるセンサー(筋紡錘)が入っています。
このセンサーが「急に・強く伸ばされた」と感じると、脊髄を介して反射的に「縮まれ」という指令が筋肉に返ってきます。

これが、いわゆる伸張反射です。

難しく考える必要はありません。イメージとしては次のようなものです。

  • 筋肉が急に強く引っ張られる

  • 「このままだと切れそうだ」と身体が判断する

  • 筋肉を縮めて、自分で自分を守ろうとする

伸長反射

試しに、アキレス腱のストレッチをしてみて下さい。
頑張れば頑張るほど、ふくらはぎからアキレス腱にかけて突っ張って、硬くなってくる感覚が出てきます。

これは、強引に伸ばそうとする力に対して、筋肉を守るために縮む力が反発している状態と考えられます。

ここで大事なのは、
「強く・限界まで伸ばそうとすればするほど、筋肉は反射的に守りに入って縮もうとする」
という身体の仕組みがある、という点です。

オスグッド病では、太もも前の筋肉と、その先に続く膝蓋腱・成長軟骨にすでに負担がかかっています。
そうした状態で「痛いけど我慢」と思って限界まで伸ばすストレッチをすると、守ろうとする反応がより強く出やすくなります。

2-2. ゴムと布で考えるオスグッドの筋肉

ここで、筋肉の状態ゴムにたとえて考えてみます。

元気な筋肉は、よく伸びるゴムのような状態です。
多少引っ張っても、伸びて元に戻るだけで、簡単には切れません。

オスグッド病で硬くなっている太もも前の筋肉は、伸びにくい状態です。
イメージとしては、伸縮性の少ない布に近い状態です。

  • ゴム(元気な筋肉)は、引っ張ると伸びて元に戻る

  • 布(硬くなった筋肉)は、強く引っ張るとどこかでほつれたり、裂けやすい

もちろん、実際に筋肉がバサッと裂けてしまうという意味ではありません。

ただ、「すでに負担がかかっている部分を、限界まで無理矢理伸ばすと、さらにダメージを受ける可能性がある」というイメージです。

オスグッド病で太もも前の筋肉が硬くなっているときに、「効いている感じがするから」と痛みを我慢して伸ばす。
痛い方が効果があるはずと限界まで攻める等のストレッチを続けるのは、布を無理に引き伸ばした状態と似ています。

その結果、痛みが長引く、一度落ち着きかけた痛みがぶり返す等の悪循環に入るおそれがあります。

3. オスグッドでストレッチして良い時期

ここまで読むと、「では一生ストレッチをしてはいけないのか?」という疑問が出てくるかもしれません。

ぎの整体院としては、ストレッチそのものを完全に否定しているわけではありません。
「タイミング」と「目的」と「やり方」を整理しておきたいと考えています。

3-1. 痛みがある時期と痛みが無い時期の線引き

オスグッド病に関して、ストレッチについての考え方を整理すると、次のようになります。

  • オスグッドの痛みがはっきり残っている時期

    → 太もも前を強く伸ばすストレッチや、負荷の高い筋トレは不要(むしろ避けたい)

  • 痛みが完全に無い、走る・ジャンプする動きでも不安が無い時期

    → 再発予防としてストレッチや筋トレが有効

ポイントは、「痛みがほとんど無い」では無く、「痛みが完全に無い状態」になってからという線引きです。

痛みが残っているうちは、まだストレッチや筋トレで負荷をかける段階には達していないと考えています。

3-2. ストレッチは「改善」ではなく「予防」

大切なのは、「ストレッチを何のために行うのか」という目的の整理です。

オスグッドの痛みがある時期に、「ストレッチを頑張れば治る」と考えると、痛みを我慢して強く伸ばす方向に傾きやすくなります。
これは悪化のリスクが高く、おすすめ出来ません。

ぎの整体院としては、次のように考えています。

  • オスグッドの痛みを改善するためにストレッチを頑張る必要は無い

  • ストレッチや筋トレは 「痛みが完全に無くなったあとの再発予防」 として位置づける

予防の観点から見れば、太ももや股関節まわりの柔軟性を高める、筋肉をつけることはオスグッドの再発予防に役立つ可能性があります。

ただし、繰り返しますが 痛みが完全に取れたあとの話です。

痛みがある時期に、柔軟性アップ目的の強いストレッチをを行うことは膝下の成長軟骨にとってストレスが強過ぎます。
そのため、炎症を長引かせる・再発を繰り返す原因になりかねません。

「ストレッチで改善」から「ストレッチで再発予防」と、考え方を切り替えてくださいね。

3-3. 行うなら「反動をつけずにゆっくり動かす」

チームのコーチ等に太もものストレッチをやるように言われているのでやらないといけない。
という場合もありますよね。

その場合、同じ動作でも伸ばすのではなく動かす意識で行う。
痛み・違和感が出ない範囲でゆっくり膝を曲げて戻すことを繰り返す。

具体的には、次のようなイメージです。

  • かかとをお尻にギューッと近づけて限界まで伸ばし続けるのでは無く

  • 「このくらいなら何も感じない」「少し伸びているかな?」程度のところまで、ゆっくり曲げて戻す動きを数回行う

これは「柔軟性をつけるためのストレッチ」というより、膝を動かしても大丈夫だと身体と脳に教え直していくリハビリの考え方です。

次章で考え方を説明していきます。

より効果的な「痛み無く動かすケア」のやり方を知りたい方は、
重症オスグッドでも安心して出来るストレッチ|痛み無く動かす改善法
も参考にしてみて下さい。

4. 動かしストレッチと「痛く無い動き」を脳に入力する考え方

ここからは、ぎの整体院で大切にしている「動かしストレッチ」と脳・神経の関係を、簡単に説明します。

オスグッドで強い痛みが続いたあと、膝を少し動かしただけでも痛みが出るようになることがあります。

この状態では、脳が「膝を曲げる」「体重をかける」といった動きに対して敏感になりすぎていると考えることが出来ます。

4-1. 痛みを我慢して伸ばすストレッチとの違い

痛みを我慢して伸ばすストレッチは、「この動きをするとやっぱり痛い」という情報を、何度も脳に送り続けることになります。
すると、「膝を曲げる=危険な動き」「止めないといけない動き」という印象がますます強くなります。

一方で、痛みが出ない範囲で少しずつ動かすことで、「ここまで体重を乗せても痛く無い」「膝を曲げても大丈夫」という情報を脳に送り直すことが目的です。。

つまり、「痛く無い動きの情報を、脳に繰り返し入力する」という考え方です。
痛みが強い時期は、「動かす=危険」という記憶が膝まわりに残りやすくなります。

動かしストレッチでは、痛みが出る手前で安全に止めることを徹底しながら、「この動き方なら大丈夫」という安全なパターンを身体と脳に何度も入力していきます。
こうした安全な動きの積み重ねによって、「この程度までなら動かしても平気」という範囲が結果的に少しずつ広がっていきます。

つまり、次の改善が期待できます。

  • 太もも前の筋肉や膝蓋腱の過度な緊張が和らぐ

  • 「膝を曲げるのが怖い」という感覚が少しずつ減っていく

  • 曲げられる角度や体重を乗せられる範囲が広がっていく

5. まとめ:我慢するストレッチに頼らずオスグッド改善

最後に、このページの内容を簡単に整理します。

  • オスグッドの痛みがある時期に、太もも前を強く伸ばすストレッチは不要

  • 痛みを我慢して限界まで伸ばすと、筋肉の防御反応から悪化や長期化のおそれがある

  • 強いストレッチは改善のためではなく再発予防に行う

  • 痛みが強い時期は、動かしストレッチなどで「痛く無い動きの情報を脳に入力し直す」ことを優先する

ぎの整体院では、オスグッドを「膝だけの問題」とは考えず、股関節・足首・体幹の使い方まで含めて全身のバランスをチェックしながら、膝下(脛骨粗面)への負担を減らしていくことを目指します。

オスグッド全体の流れやセルフチェック・改善の考え方については、親ページもあわせて参考にしてみて下さい。
オスグッド病は成長痛じゃない|原因・セルフチェック・改善法を専門整体が解説

オスグッドの別の側面について詳しく知りたい場合は、次のページも役立ちます。
再発の仕組みや予防の考え方を知りたい方
オスグッドはなぜ再発する?原因と予防の考え方

成長期と身長への影響が気になる方
オスグッドは身長に影響する?成長期ならではの不安を整理する

重症レベルの痛みに対して、自宅で出来る具体的なケアを知りたい方
重症オスグッドの動かしストレッチとセルフケア

「オスグッドだからストレッチしなければならない」という思い込みにとらわれず、今の状態に合った段階的なケアを一緒に考えていきましょう。

オスグッド病(膝の成長痛)について詳しくはこちら

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