オスグッド病と成長痛の違い|年齢・痛み方・レントゲン所見で簡単チェック

同じ「成長期の膝の痛み」でも中身は違う

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お子さんの膝が痛くて病院を受診すると、

  • 「成長期だから成長が止まるまで我慢」

  • 「身長が伸びている途中だから仕方ないです」

と説明されることがよくあります。

しかし、専門的に見ると「オスグッド病」と「成長痛」は別のものです。
オスグッドは膝下の骨に負担が集中するスポーツ障害。

成長痛は「成長期の子どもの脚に起こるが、検査では異常が見つからないタイプの痛み」をまとめた呼び方です。

この2つを同じものとして扱ってしまうと、オスグッドまで「そのうち治る成長痛」として放置してしまい、痛みの長期化やフォームの崩れにつながることがあります。

この記事では、下記の流れで「何が違うのか」をわかりやすく整理していきます。

  1. オスグッドとはどんな状態か(定義と仕組み)

  2. 研究論文からみた成長痛とは何か(歴史と現在の考え方)

  3. 年齢・痛み方・検査所見で見分ける3つのポイント

1. オスグッド病は使い過ぎによるスポーツ障害

1-1. 定義と特徴

オスグッド

オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)は、脛骨粗面(イラストでは膝蓋粗面)が、繰り返しの引っ張り刺激で炎症を起こした状態と定義されています。

医学的には「牽引性骨端炎(けんいんせいこったんえん)」の一つです。

具体的な特徴は次の通りです。

  • 対象年齢:およそ8〜15歳前後の成長期

  • 背景:走る・跳ぶ動きの多いスポーツをしている子に多い

  • 痛む場所:膝のお皿の下の骨(脛骨粗面)

  • 痛みの出方:走る・運動中や運動後に痛みが強くなる

  • 触ったときの状態:進行すると脛骨粗面がボコッと出て押すと強く痛い

整形外科の教科書や複数の臨床研究をまとめた論文でも、オスグッドは
「発育期の脛骨粗面に、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)からの引っ張り力が繰り返し加わって起きるオーバーユース障害」
と整理されています。

1-2. 体の中では何が起きている?

成長軟骨 骨端線

成長期の骨は、まだ完全に固まっていません。
子ども特有の「成長軟骨」が残ったやわらかくモロい状態です。
脛骨粗面も同じで、大人の骨ほど強くはありません。

そこに、次のような状況が重なります。

  • 練習量が増える

  • ポジションが変わり、負担のかかり方が変化する

  • 人工芝や硬いコートなど、衝撃が強くなりやすい環境でプレーする

さらに、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が脛骨粗面を上に強い力で何度も引っ張ってきます。
その結果、モロい軟骨剥がれ骨の出っ張りとして現れます。

2. 研究論文からみた成長痛の原因は今も未確立

子どもの脚が夜に痛くなると、昔から「成長している証拠だよ」と言われてきました。

でも、今の医学では根拠が弱いことが分かっています。

では、昔の専門家たちはどう考えていたのか?
そして、なぜ今は違う説明がされるようになったのか?
歴史と研究の流れを、わかりやすく整理してみます。

2-1.いちばん古い記録は1823年

最初に「子どもの夜の脚の痛み」に注目したのは、フランスの医師デュシャン(Duchamp)です。

1823年の記録では、「昼は元気なのに、夜になると足が痛い子がいる」という内容を報告しました。

当時は検査機器もなく、「子どもが大きくなる時期だから、骨が伸びて痛いのかも」という推測が自然に受け入れられました。

2-2.1950年代:成長痛の科学的な検証が始まる時代

1950年代ごろになると、成長痛は「よくある子どもの脚の痛み」ではなく、医学の研究対象として少しずつ注目されるようになりました。

この頃から専門家たちは、「本当に成長と痛みは関係があるのか?」という疑問を持ち始め、成長痛をより詳しく観察するようになります。

その中で分かってきたのが、次の事実です。

  • 成長期の骨が伸びるだけでは強い痛みは起こらない

  • 「骨が伸びる途中だから痛い」という説を支持する明確な証拠はない

つまり、骨が伸びて痛むという昔ながらの説明は科学的には正しくないという方向に考え方が変わっていったのです。

この「正常な成長では激しい痛みは起こらない」という視点は、その後の研究にも大きな影響を与えています。
成長=痛いという古い説明を見直すきっかけになりました。

2-3.1950〜70年代:「成長すると痛くなる」考え方が残っていた時代

その後、イギリスの医師であるナイシュ(Naish)、エイプリー(Apley)、オスター(Oster)たちが、成長痛の症例をまとめた研究を発表します。

そこでは、

  • 夜に足を痛がる

  • 朝にはすっかり元気

  • 検査では異常なし

  • 成長期の子どもによく見られる

といった「典型的な成長痛の姿」が整理されました。

ただし、当時の医学ではまだ「成長しているから痛いのだろう」という昔の考え方が強く残っていて、成長=痛いという説明が完全に否定されたわけではありませんでした。

2-4.その後「成長は関係ない」という方向が濃厚に

1990年代以降、より詳しく調べる研究が進むと、

  • 成長痛のある子とない子で背の伸び方に違いがない

  • 成長スパートの時期と痛みの出る時期が合わない

  • 骨・関節・筋肉などの構造に異常は見つからない

という結果が続き、「成長=痛み」という古い考え方は徐々に否定されていきました。

最近の成長痛に関する 研究を幅広く調べて全体像を整理した論文では、成長痛という名前は誤解を招きやすい」「成長と痛みは直接の関係がない可能性が高い」と報告されています。

2-5.多くの研究をまとめた論文から分かること

このように成長痛に関する研究は世界中で多く行われてきました。
研究をまとめて整理した論文では、成長痛は次のような特徴を持つものとして扱われています。

  • 成長期の子どもに起こる、繰り返し出てくる脚の痛みである

  • 検査をしても、骨や関節にこれといった異常が見つからない

  • 時間とともに自然に軽くなっていくことが多い

また、成長痛を訴える子どもには、次のような傾向があると報告する研究もあります。

  • 日中の活動量が多く、筋肉が疲れやすい

  • 関節がもともと柔らかめで、負担がかかりやすい

  • 扁平足など足の形の影響を受けている可能性がある

  • 学校や家庭でのストレス、不安を抱えている

  • そもそも痛みを感じやすい体質である

とはいえ、これらは「このような傾向がある」と示しているだけです。
だから「成長痛はこれが原因」とまでは言い切れていません。

つまり、複数の要因が重なり合って「痛み」として感じられている可能性が高いが、原因はまだ特定されていないのです

2-6.診断基準も世界的に統一されていない

成長痛について、世界共通の「診断基準」は実はまだはっきり決まっていません。
たくさんの研究結果をまとめた論文で、よく挙げられている特徴は次のようなものです。

  • 年齢は特に3〜6歳に多い

  • 太もも・ふくらはぎ・膝まわり・すねなど、脚の広い範囲が痛む

  • 痛みは夕方〜夜・就寝中に出やすく、朝にはケロッとしていることが多い

  • 診察・レントゲン・血液検査などで、はっきりした異常は見つからない

  • 時間がたつと自然に落ち着いていくことが多い

これらの条件にだいたい当てはまり、かつ他の病気が否定された場合に、「成長痛ですね」と説明されることが多い、というのが現状です。

まとめると、成長痛は次のように整理できます。

  • 骨の成長が直接の原因ではない

  • はっきりした原因は「未確立」

  • 検査で異常が見つからない下肢の痛みの総称

  • ストレスや体の特徴など、いくつかの要因が重なって起こっている可能性がある

3. オスグッドと成長痛を見分ける3ポイント

3-1. 年齢とスポーツ量

オスグッドと成長痛では、起こりやすい年齢と生活背景が違います。

  • オスグッドが多いのは、小学校高学年〜中学生(だいたい 8〜15歳

  • オスグッドは走る・跳ぶスポーツを週に何回も行う子供に多い

  • 成長痛が多いのは特に3〜6歳の未就学児〜低学年

  • 成長痛日常生活や遊びの中で「になると脚が痛い」と訴えることが多い

小学校高学年以上で、明らかにスポーツ量が多い子の膝下が痛い場合は、「成長痛」とまとめてしまう前に、まずオスグッドなどのスポーツ障害を考える方が現実的です。

3-2. 痛む場所と時間帯

痛い場所と時間帯を整理すると、2つの違いが見えやすくなります。

  • オスグッド
    痛む場所は、膝のお皿のすぐ下の骨(脛骨粗面)
    子どもが指1本で「ここが痛い」とはっきり示せることが多い
    痛みは膝に負担がかかる動きで強くなる

  • 成長痛
    痛む場所は、太もも・ふくらはぎ・膝まわり・すねなど、脚の広い範囲
    「このあたりが何となく痛い」と、指で広い範囲をさすことが多いで
    痛みは、夕方〜夜・就寝中に強くなる
    朝になるとケロッとしていることが多い
    日中の活動で特に支障が出ないケースも多い

「練習中に、膝下の一点がズキッと痛い」のか、「夜になると足全体がなんとなく痛い」のか。
ここを整理するだけでも、かなり見分けやすくなります。

3-3. 検査と炎症の有無

医療機関で検査を受けたときの結果も、大きなヒントになります。

  • オスグッドの場合
    膝下が触ると熱・腫れといった炎症のサインが見られることがある
    レントゲンで、膝下の骨が突出等の形が変わっていることが多い

  • 成長痛の場合
    見た目の腫れや熱感は無く、膝の動きも保たれていることが多い
    レントゲンや血液検査などをしても異常無し
    重大な病気が否定されたうえで、「成長痛」と説明される

4. まとめ:オスグッドと成長痛は「名前は似ていても別物」

最後に、ポイントを整理します。

  • オスグッド病は、膝の下(脛骨粗面)に起こる成長期のスポーツ障害

  • 成長痛は、検査では異常が見つからず原因はまだ不明

  • 年齢・痛みが出る場所・時間帯で、オスグッドと成長痛の多くは区別可能

ぎの整体院では、膝だけでなく全身のバランスを整える「全身調整」と、痛みなく動かすセルフケアを組み合わせて、オスグッドの早期改善を目指しています。

オスグッドは改善可能なので、「成長痛だから仕方ない」と諦めずにご相談くださいね。
もちろん、成長痛も改善可能なのでお任せください。

オスグッド病(膝の成長痛)について詳しくはこちら

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