高槻で腰痛に悩んでいる方から、こんなお話をよく聞きます。
-
「レントゲンでは異常なしと言われたのに痛みが続く」
-
「シップと痛み止めだけで様子を見ましょうと言われた」
-
「マッサージに通っているけれど、良くなったり戻ったりをくり返している」
日本では、生涯のうちに約8割の人が一度は腰痛を経験すると言われています。
腰痛の多くは、骨や椎間板など「構造の異常」だけでは説明できず、筋肉・姿勢・ストレス・脳と神経の働きが重なって起きると考えられています(日本整形外科学会/日本腰痛学会『腰痛診療ガイドライン2019』など)。
このページでは、高槻で腰痛に悩む方に向けて、下記をできるだけ専門用語を減らしてお話していきます。
-
なぜ「画像で異常があっても/なくても」腰痛は続くのか
-
薬やマッサージだけで変わりにくい慢性腰痛を、どう考えるのか
-
ぎの整体院が行っている「脳と神経」からのアプローチ
1.身近に多い慢性腰痛
医学的には、3か月以上続く腰の痛みは「慢性腰痛」と呼ばれます。
慢性腰痛の多くは、椎間板ヘルニアや骨折などのはっきりした原因が特定できない「非特異的腰痛」とされています(腰痛診療ガイドライン2019)。
高槻でも、こんな背景で慢性腰痛が続いている方が多く見られます。
-
デスクワークやリモートワークで一日中座りっぱなし
-
車移動が多く、歩く時間が少ない
-
子育てや介護で中腰・抱っこ姿勢が多い
-
仕事や家事・育児の責任が重く、常に気が張っている
こうした生活環境の中で、筋肉・姿勢の問題だけでなく、脳と神経の「危険/安全の判断」が腰痛の長期化に関わっていると考えています。
このメカニズムについては、こちらのページで詳しく解説しています。
脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
2.「椎間板が潰れている」「背骨のすき間がせまい」と腰痛の関係
高槻の整形外科や病院で、レントゲンや MRI を撮ったあとに
「椎間板が潰れていますね」
「背骨と背骨の間がせまいですね」
と言われて不安になった、というご相談もよくあります。
椎間板は、骨と骨のあいだにあるクッションです。
水分を多く含んだ軟骨組織で、年齢とともに下記の変化が起こります。
-
水分が減る
-
弾力が落ちる
-
上下からの圧で少し潰れてくる
画像検査の研究では、腰痛がまったくない人でも MRI で椎間板の変性(潰れ・膨隆・ヘルニアなど)が多く見つかることが報告されています。
つまり、画像上の「椎間板の潰れ」= 必ずしもあなたの腰痛の強さそのものではないのです。
このテーマについては、こちらで詳しく解説しています。
「椎間板が潰れている」「背骨のすき間がせまい」と言われた方へ|画像と腰痛の本当の関係
3.腰痛で本当に見るべきなのは「脳と神経の働き」
痛み止めや湿布、もみほぐしだけでは変わりにくい腰痛では、「脳と神経が腰の情報をどう受け取っているか」が重要になります。
脳には、「自分の身体が今どんな状態か」をざっくり把握しているイメージ図あると考えられています。
この身体のイメージ図を地図に例えて、ボディマップ(身体地図)と呼びます。
-
腰・背中・股関節が、今どの向き・どの角度にあるか
-
どの筋肉にどれくらい力が入っているか
-
どの部分から、どんな感覚(張り・痛み・冷たさなど)が来ているか
こうした情報をまとめた「身体のイメージ」が、脳の中で少しずつ更新されていきます。
ところが、慢性腰痛になると、痛みや「また痛くなるかも」という怖さから、腰を動かす幅そのものがどんどん狭くなっていきます。
「この角度まで反らすと必ず痛い」「ここから先に動かすのは怖い」といった状態が続くと、本来はもっと大きく動かせるはずの範囲まで、腰を動かす機会がほとんどなくなります。
その結果、脳には「痛みの出ない狭い範囲」で動いている時の情報ばかりが送り続けられ、本来動けるはずの角度の情報がほとんど入らなくなります。
すると、正常な可動域の情報は脳の中から薄れていきます。
そして「このくらいまでしか動かせない」という狭い範囲の情報だけが上書きされていくという状態になります。
このように、本来どこまで動かしていいのか分からなくなった腰のイメージを、ここでは「ボディマップ(身体地図)がぼやけた状態」と考えています。
-
本当はどこまで動かしていいのか分かりにくい
-
少しの刺激でも「危険かも」と判断しやすい
といった、脳側の過敏さが痛みの長期化に関わると考えられています。
この視点は、すでに国外のガイドラインやレビューでも重要視されています(例:慢性腰痛における中枢性感作や心理社会的要因を扱う総説など)。
4.高槻の整体院として、ぎの整体院が大切にしていること
ぎの整体院では、「とにかく筋肉を強く伸ばす・押す」だけの腰痛ケアは基本的に行っていません。
代わりに、次のような方針で「脳と神経の働き」から腰痛改善を目指します。
-
腰だけでなく、首・目・三半規管(前庭系)・足裏など「神経の入口」を評価する
-
痛みを我慢して行うストレッチやトレーニングは避ける
-
痛くない範囲の動きで「安全な情報」を脳に送り直す
その具体的な方法として、
神経ストレッチの目的と注意点
脳と神経から整える神経学トレーニング
運動療法(神経学トレーニングの一例)
ボディマッピングとは?
といった考え方を組み合わせています。
5.具体的なアプローチ例
ここでは、「腰痛に悩む方に、実際どんなことをしているのか」をイメージしやすいように、ざっくりお伝えします。
5-1.痛くない範囲から動きを取り戻す運動療法
当院では、慢性腰痛に対して「強いストレッチで一気に伸ばす」よりも、痛みのない範囲で小さく動かす運動療法を大事にしています。
3章でお話ししたように、慢性腰痛では腰のボディマップ(身体地図)がぼやけた状態になりやすいと考えています。
そこで当院では、
-
腰・骨盤・股関節などを「痛くない角度」から少しずつ動かす
-
呼吸を止めず、力み過ぎない範囲で反復する
-
「今どこが・どの方向に・どれくらい動いているか」を感じながら行う
といった運動療法を使い、脳に「ここまでは安全に動かせる」という情報を送り直すことをねらいます。
こうした「痛くない範囲の反復運動」を積み重ねていくことで、
-
腰まわりの過剰なこわばりが徐々にほどける
-
少しずつ動かせる角度が広がってくる
-
「動かすのが怖い」という感覚が弱まりやすくなる
といった変化が期待できます。
このように、運動療法は単に筋肉を鍛えるのではなく、脳と神経に「安全な動き方」を再学習してもらうためのトレーニングという位置づけで行っています。
5-2.目・三半規管(前庭系)から体幹の安定を整える
身体のバランスや腰まわりの緊張には、
-
目の動き(眼球運動)
-
三半規管(前庭系)
-
首の深部感覚
なども大きく関わります。
-
目をある方向に動かしたときに腰が楽になるか/重くなるか
-
軽い頭の向きの変化でバランスがどう変わるか
といった反応を見ながら、短時間でできる神経学トレーニングをご提案しています。
詳しくは、脳と神経から整える神経学トレーニング にまとめています。
6.「高槻で腰痛」にこんな悩みがあれば、一度ご相談ください
次のような方は、脳と神経も含めて腰痛を見直すタイミングかもしれません。
-
高槻でいくつか整形外科・整骨院に通ったが、良くなったり戻ったりをくり返している
-
「椎間板が潰れている」と言われてから、動くのが怖くなった
-
マッサージを受けている間は楽だが、すぐ元に戻る
-
痛み止めやロキソニンを飲んでも、根本的には変わっていない気がする
-
仕事や家事・育児があるので、腰痛とうまく付き合える身体に整えたい
ただ、発熱・しびれ・筋力低下・がんの既往、原因不明の体重減少等がある場合は、まず医療機関での検査が優先です。
そのうえで、「検査では大きな異常はないが痛みが続いている」腰痛なら、整体や神経学トレーニングが力になれる場面も多いと考えています。
7.まとめ|高槻で腰痛に悩む方へお伝えしたいこと
最後にポイントだけコンパクトにまとめます。
-
「椎間板が潰れている」「背骨のすき間がせまい」は、年齢とともに誰にでも起こりやすい変化
-
画像所見と腰痛の強さは必ずしも一致せず、「痛みがない人にもたくさん画像変化が見つかる」という研究が多く報告されている
-
慢性腰痛では、筋肉や椎間板だけでなく、脳と神経の「危険/安全の判断」(ボディマップ・中枢性感作)も重要
-
ぎの整体院では、神経ストレッチや運動療法を含む神経学トレーニングで「安全な動きの再学習」を重視している
-
高槻で腰痛に悩んでいるが、画像と薬だけの説明ではしっくりこない」という方は、脳と神経の視点から腰痛を見直す選択肢もある
「高槻 腰痛」で検索して、このページにたどり着いたということは、すでにいろいろ試されてきた方も多いと思います。
椎間板の画像だけを見て「もう一生このまま」と諦めてしまう前に、脳と神経の働きもふくめて、からだ全体を見直す道があることを知っておいていただければうれしいです。
この記事に関する関連記事
- 整体中にすぐ眠くなるのはなぜ? 軽く触れられただけで「寝落ち」する神経の仕組み
- 脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
- オスグッドでも練習は休むべき?続けながら改善を目指す考え方
- 高槻でオスグッドにお悩みの親御さんへ|病院との違いと整体でできること
- RICEからPEACE & LOVEへ|捻挫や痛みの応急処置と「安全に動かす」考え方
- オスグッド病は成長痛じゃない|原因・セルフチェック・改善法を専門整体が解説
- 小脳から考える運動療法|痛み・しびれを「危険予測」とボディマップから改善
- なぜ運動療法で痛みが悪化する人がいるのか?
- 反対側を動かすと痛みが減る理由 ― PMRF・小脳・下行性疼痛抑制系の連携
- 小脳と前庭機能でバランスを整える|ふらつき・慢性痛を神経学から解説
- 痛みの根本原因を解明!感覚のエラーが引き起こす不調と自分で整える視点
- 「ボーア効果」酸素運搬のすごい仕組み
- 姿勢とバランスを支える前庭脊髄反射(VSR)とは?
- 頭が動いても視界はブレない!「前庭動眼反射(VOR)」の仕組みと整え方
- 目を閉じてもフラフラしない秘密!三半規管がバランスをとる仕組みを徹底解説
- 脳が自分で痛みを抑える? 下行性疼痛抑制系の仕組みをやさしく解説
- 同側の肩こり・腰痛・膝痛…身体の片側に症状が偏る理由はPMRF(橋・延髄網様体)
- 朝の一歩目が激痛!そのかかとの痛み、足底筋膜炎じゃない?筋肉やストレッチで改善しない本当の原因
- 歩くとふらつく原因は筋力ではなく神経のズレ?
- ゴルフスイングの捻転不足は胸椎と股関節から整える|神経学トレーニングで飛距離と腰を守る
- 「腰痛の原因」腰が回らない本当の理由は胸椎と股関節にあった|脳と神経からみた体幹のねじれ
- 腰痛の原因!? 知っておきたい腸腰筋の働きと神経ストレッチ(大腿神経)
- 股関節痛改善は筋肉のストレッチより神経ストレッチ(大腿神経)
- 手根管症候群を原因から改善する神経ストレッチ(正中神経)
- 手のひらのしびれ・痛みを改善する神経ストレッチ(正中神経)
- 肩・首痛い時に効果的な神経ストレッチ(副神経)
- 手のしびれ・痛み(橈骨神経麻痺)改善の神経ストレッチ(橈骨神経・後骨間神経)
- 【自律神経失調症】自律神経とストレスの関係
- 手のしびれ・痛み(ギヨン管症候群)改善の神経ストレッチ(尺骨神経)
- 自律神経失調症への整体の効果:不眠・めまい・倦怠感等
- 小指のしびれ(肘部管症候群)改善の神経ストレッチ(尺骨神経)
- うつ病の人がとる行動をパターン別に説明
- 前腕外側の痛み・しびれ改善の神経ストレッチ(筋皮・前腕外側皮神経)
- 腓骨神経麻痺の症状・原因と神経ストレッチ(総腓骨神経)
- 自律神経失調症による発熱の原因と対処法
- うつ病の種類を原因・症状・病型ごとにわかりやすく説明
- うつ病で身体の痛みが起こる理由をわかりやすく解説
- 【外側大腿皮神経痛の改善方法】太もも外側の痛み・しびれ改善に効果的な外側大腿皮神経ストレッチ
- 坐骨神経痛の原因を深く解説
- 椎間板ヘルニアの痛み・しびれの原因は脳・神経にある
- 椎間板ヘルニアには種類がある?椎間板ヘルニアの種類を解説
- 催眠療法(ヒプノセラピー)での催眠状態ってどんな状態?
- 運動療法で痛み・しびれを「神経から」改善するコツ
- 腰の痛みと姿勢の悪さは関係無し 腰の痛み改善に大事な考え方
- つらい腰痛も簡単な腰痛体操で症状軽減|脳と神経から見た動かし方のコツ
- 腰痛の原因は脳にある?脳神経学の視点から腰痛を読み解く
- 催眠療法(ヒプノセラピー)の受け方のコツは安心と信頼
- 治らない野球肩改善の神経ストレッチとクワドリラテラルスペース(腋窩神経)
- 大人の起立性調節障害の症状や仕事への向き合い方
- 潜在意識・顕在意識と催眠療法(ヒプノセラピー)の関係
- 催眠療法(ヒプノセラピー)がトラウマ解消に効果的
- 催眠療法(ヒプノセラピー)は怪しい?催眠療法の疑問を解消
- テニス肘を放置して悪化すると手術が必要になることも!
- テニス肘の原因を解説!日常生活で出来る予防
- 坐骨神経痛の症状は主に4種類
- テニス肘の原因を筋肉・動作等からわかりやすく説明
- グロインペイン症候群を改善する神経ストレッチ(閉鎖神経)
- ロキソニンが効かない腰痛の改善方法|薬だけに頼らない脳と神経の視点
- 膝内側の痛み(ハンター管症候群)の改善に神経ストレッチ(伏在神経)
- プラシーボ(プラセボ)効果とは?/整体の効果は思い込み?
- めまいの種類/回転性・末梢性・メニエル病のめまいって何?
- 神経ストレッチの目的と役割|筋肉を伸ばしても変わらない痛みを「神経」から考える
- 慢性痛の原因は脳の記憶!慢性痛の改善方法も紹介
- 三叉神経痛・顔面神経痛の原因と神経ストレッチ(三叉神経)
- アキレス腱炎に効果的な神経ストレッチ(腓腹神経)
- 頚椎症性神経根症の「症状」「「似た症状」「神経根」とは?
- 重症な足底筋膜炎にも効果的な神経ストレッチ(脛骨神経)
- 猫背改善にストレッチ・筋トレより効果的な神経学トレーニング
- 自律神経失調症と脳・神経学の関係
- ペンフィールドのホムンクルスとは?脳の身体地図とボディマップの関係
- 脳は未来の身体を予測して動く|ボディマッピングと危険回避の仕組み
- オスグッドはなぜ再発する?原因と予防の考え方
- 脳が描く身体の地図「ボディマップ」/神経学的整体で痛みを整える理由
- 整体後の好転反応とは?
- 横隔膜の硬さと自律神経・首の関係
- 足底筋膜炎と足底腱膜炎の違い
- 腰や首の牽引療法は効果がない
- 「整体は意味ない」と言われる理由
- シーバー病が改善しても身長伸びる!
- 気象病・天気痛の原因と改善する考え方
- ベアフットシューズの効果で様々な症状を改善
- 重症オスグッドでも安心して出来るストレッチ|痛み無く動かす改善法
- 産後の骨盤矯正は本当は不要?|「骨盤が開く」の仕組みと整体の考え方
- 骨盤矯正ダイエットで痩せるのは本当?
- 椎間板が潰れている・背骨のすき間がせまいと言われた方へ|画像と腰痛の本当の関係
- 椎間板ヘルニアは手術後64%再発する
- 椎間板ヘルニアがレントゲンでわからない理由
- オスグッドは身長に影響する?成長期の不安を整理する
- オスグッド病と他のスポーツ障害との見分け方
- 骨盤・背骨等の身体の歪みは気にしなくて大丈夫
- 側弯症改善に三半規管トレーニング
- オスグッドで多い質問
- オスグッド病と成長痛の違い|年齢・痛み方・レントゲン所見で簡単チェック
- 腰痛が改善された方の喜びの声
- 坐骨神経痛はマッサージでは改善しない
- 坐骨神経痛の施術は整骨院でも可能?
- 坐骨神経痛は病名ではない!?
- 坐骨神経痛の痛み・しびれ部分が人により違う理由とは?
- 腰痛がマッサージで良くならない理由|脳と神経から考える慢性腰痛のメカニズム
- オスグッド改善にはストレッチ不要!痛みがある時に避けたい理由
- オスグッドにアイシングはNG?痛みがある時期のセルフケアのポイント
- 腰痛 症例集





お電話ありがとうございます、
大阪・高槻スポーツ整体 ぎの整体院でございます。