「家でできる腰痛体操が知りたい」という方へ
「腰痛が慢性化してつらい…」
「効果的な腰痛体操を知りたい」
「家でできる、簡単な腰痛体操はないかな?」
と悩んでいませんか?
この記事では、腰痛でお悩みの方に向けて、下記をわかりやすくお伝えします。
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家でできる簡単な腰痛体操を3つ紹介
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なぜ「痛くない範囲で動かす」ことが大切なのか
-
脳と神経の働きから見た“腰痛体操のコツ”
ここでご紹介する簡単腰痛体操のポイントは、痛くない範囲で動かす。
脳に「この動きは安全だよ」という安心情報を送る。
というところにあります。
「できるだけ安全に、でもきちんと腰痛に役立つ体操」を目指しています。
無理のない範囲で、少しずつ試してみてください。
1.腰痛は「脳の危険判断」が作るサイン
今回お伝えする腰痛体操が効果的な理由は脳の役割にあります。
しっかり理解して腰痛体操を行えば効果も上がります。
1-1.腰痛=腰だけの問題ではない
腰痛というと、整形外科・整骨院・整体院からは下記の説明を受けることが多いです。
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椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症
-
腰の筋肉が硬い
-
骨盤のズレ
-
腹筋・背筋の弱さやバランスの悪さ
もちろん、こうした要素がまったく無関係というわけではありません。
近年の研究では、腰痛は脳が『ここは危ないかもしれない』と判断したときに出す注意サインと考えられることが増えてきています。
つまり、腰痛は「腰そのもの」だけでなく、脳と神経の働きにも大きく影響されるということです。
この視点については、
脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
でも詳しく解説しています。
1-2.脳の3つの役割「入力・解釈・出力」
脳の役割を、とてもシンプルに分けると入力・解釈・出力の3つです。
1.入力(身体・心等の情報収集)
まず、からだや環境からたくさんの情報が入ってきます。
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腰や背中、足などの筋肉・関節・神経からの刺激
-
過去に腰を痛めた経験
-
ストレス・睡眠不足・疲労、その日のコンディション
-
「休めない」「仕事を休めない」などのプレッシャー
これらはすべて、脳にとっての入力情報です。
身体の状態だけでなく心理状態や記憶も含まれます。
2.解釈(危険か安全かを判断するステップ)
集めた入力情報をもとに、
「このまま動き続けても大丈夫か?」
「それとも、そろそろブレーキをかけた方が良いか?」
を脳が一瞬で判断します。
この「危険or安全の判断」をここでは解釈と呼んでいます。
3.出力(痛みなどの反応として表に出す)
その結果、
「危険」「少し守ったほうが良さそうだ」
と解釈されたときに、身体を守るブレーキとして下記の反応を出力します。
-
痛み・しびれ
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筋肉のこわばり
-
力が入りにくい感じ
-
やる気が出ない・気分が落ちる
腰痛も出力の一つと考えられます。
2.腰痛改善には「脳に安心情報を届けること」
2-1.危険情報ばかり入ると、脳は早めにブレーキをかける
腰痛改善には、脳にどんな情報が入っているかがとても大事です。
例えば、上半身を後ろに反らしたときに腰痛が出るという場合を考えてみます。
このときに、痛みを我慢しながら何度も反らす動きをくり返していると、脳には
「反らす=腰が痛い」
「反らす動き=危険かもしれない」
という危険情報の入力がどんどん積み重なっていくことになります。
その結果、脳は「痛みが出る角度まで反らせると危ないかもしれない」と判断しやすくなります。
その結果、以前より浅い角度で早めに痛みのサインを出して「これ以上反らさないで」とブレーキをかけるようになっていきます。
2-2.「我慢して伸ばすストレッチ」が逆効果?
一般的なストレッチでは、「多少痛くても我慢して伸ばしましょう」と説明されることもありますよね。
ただ、我慢している間は脳に「この動きをすると毎回痛い」「ここまで動かすと危ないかもしれない」という危険情報が入り続けることになります。
腰痛が長く続いている方や、痛みに敏感になっている方では、
痛みを我慢するストレッチ= 脳にとっては危険な状態に無理やり近づける動き
と受け取られてしまう可能性があります。
その結果、動かす前から怖くて力が入る・前より浅い角度なのに痛みが出るといった、ブレーキのかかり方が早く・強く なってしまうこともあります。
2-3.「安心な良い情報」を脳に届けるのが腰痛体操の役割
腰痛改善のために大事なのは、動かしても痛くないという安心な良い情報を脳に入力し直していくこと。
たとえば、
「ここまでなら痛くない」
「さっきより少し楽に動ける」
「この動きは怖くない」
という小さな安全の経験を積み重ねていくと、脳は次のように受け取りやすくなります。
「この角度、この動きなら安全そうだ」
「前ほど強いブレーキをかけなくても良さそうだ」
つまり、次の変化が期待できます。
-
危険情報ばかり → 早め・強めのブレーキ(痛み)
-
安心情報が増える → 不要なブレーキが少しずつ減っていく
脳に「腰は危険」ではなく「この範囲なら安全」という情報入力が増えます。
その結果、安全判断から腰を守るための過剰な注意サイン(腰痛)の出力を止めるイメージです。
2-4.「簡単腰痛体操のポイント」との関係
冒頭の下記2つのポイントはここまでの内容に繋がっています。
-
痛くない範囲で動かす
-
脳に「この動きは安全だ」と安心させる
簡単腰痛体操の目的は、「がんばって痛みをこらえて伸ばすこと」ではありません。
「痛みなく動ける範囲を何度も経験して、脳に安心情報を届けること」です。
この前提を頭の片すみに置きながら、次章で紹介する3つの体操を試してください。
「なぜこの動き方をしているのか」
「なぜ痛くない範囲でとどめるのか」
が、より理解しやすくなると思います。
3.簡単腰痛体操で変化をチェック
ここから、実際の「簡単腰痛体操」を3つご紹介します。
ただし、残念ながらすべての人に必ず効く体操はありません。
そのため、体操を始める前に必ず、下記を確認してください。
-
どの動きで腰が痛むか?
-
どの角度で腰が痛み始めるか?
そして体操のあとに、同じように動いてみて、腰の動きや痛みが少しでも楽になる等の変化があれば「効果あり」。
まったく変化無しなら「今回の体操は合わない」と判断してOKです。
大事なのは、「自分の腰に合う腰痛体操を見つける」です。
3-1.簡単腰痛体操① 脱力して腰から上半身を捻る
腰痛がある方は、無意識に、肩・腰・膝まわりに余計な力が入っていることがよくあります。
この体操では、「どこに力みがあるのか」「どのくらいなら楽に捻れるのか」を確認しながら、脱力して動ける範囲を探していきます。
やり方
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足を肩幅くらいに開いて立つ
-
膝を軽く曲げて、ガチガチに伸ばさない
-
背すじは「ピンッ」と張りすぎず、軽く伸ばす程度
-
腰から上半身を、痛くない範囲で左右に捻る
・最初は小さな範囲でOK
・動かすうちに「これくらいなら楽」と感じる範囲があれば少しずつ広げるイメージ
注意点
-
目的は「大きく動かすこと」ではなく、「痛みなくスムーズに捻れる範囲を見つけること」
-
腕から振り回さない
-
腕は、腰の捻りに自然についてくる程度で十分
-
肩や首、膝に力が入りすぎていないか、ときどき意識してみる
脱力して動きがスムーズになったかを確認して下さい。
痛くない動きを繰り返して、脳にここまでなら大丈夫という安心情報を送っていきましょう。
3-2.簡単腰痛体操② 上半身を大きく回す
2つ目は、上半身を「前〜横〜後ろ〜横〜前」とゆっくり一周させていく体操です。
やり方
-
立位または座位で、リラックスして上半身を前に倒す
-
そこから横 → 後ろ → 反対側の横 → 前 と、大きな円を描くように回す
-
どの位置で「痛み」や「違和感」が強くなるかをチェックする
-
痛みや違和感がはっきり出る角度から、少し浅い角度に戻す
-
その「痛くない手前の角度」で10秒キープ
・また痛くない範囲で小さく行ったり来たりする
注意点
-
絶対に「痛みや違和感がはっきり出る角度」で無理に伸ばさない
-
深く動かす必要はなく、「痛くない範囲で小さく動かす」だけで十分
-
呼吸を止めず、ゆっくり息をしながら行う
この体操も、「この角度までなら痛くない」という範囲を、脳にくり返し知らせていくことが目的です。
3-3.簡単腰痛体操③ 横隔膜ストレッチ(動かしながらの体幹トレーニング)
3つ目は、横隔膜(おうかくまく)を意識した体操です。
横隔膜は肋骨の底面についている筋肉です。
横隔膜が縮むと下がり、肺がふくらんで息を吸う。
横隔膜がゆるむと上がり、肺がしぼんで息を吐く。
という呼吸の中心的な役割を果たしています。
深く息を吸って、しっかり吐き切ろうとすると、お腹まわりや体幹がよく働いている感覚が出てきますよね。
この体操は、「動かしながら行う体幹トレーニング」としても役立ちます。
やり方
-
膝を立てて仰向けに寝る
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足は少し開き、骨盤を後傾(少し丸める)させる
-
お尻を少し浮かせながら、大きく息を吸う
-
そのままお尻を最大限まで持ち上げ、
頭・肩・足の裏で支えるブリッジのような姿勢にする
-
その姿勢のまま、息を最後までしっかり吐き切る
-
息を吐きながら、背中 → 腰 → 骨盤と、背骨を一つずつ床に下ろしていくイメージでゆっくり降ろす
-
下ろし終わったら、また息を吸いながらお尻を持ち上げ、くり返す
注意点
-
「簡単腰痛体操」とはいえ、3つの中では少し難しめです
-
腰に痛みが出るほど高く上げる必要はありません
-
痛くない範囲で、少しお尻が浮く程度から始めてもOK
-
息を吐き切った状態でからだをコントロールする意識を持つ
動かしながら体幹を使うことで、日常動作に近い形で腰周りを安定させていく体操です。
プランクとの違い
「体幹トレーニング」と聞くと、板のような姿勢でキープする「プランク」を思い浮かべる方も多いと思います。
プランクと、この横隔膜ストレッチには次のような違いがあります。
プランク
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からだをまっすぐに保ったまま「止めておく」トレーニング
-
一定時間キープするため、筋力や持久力の要素が強い
-
人によっては、首・肩・腰に力みが入りやすい
-
腰痛がある方だと、「頑張りすぎて悪化する」ケースもある
横隔膜ストレッチ(この体操)
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「上げる・下ろす」をくり返す動きのある体幹トレーニング
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呼吸(とくに吐き切ること)を重視
-
緊張と脱力の切り替えを体験しやすい
-
痛くない範囲で動かせば、脳にとっての安心情報になりやすい
日常生活での、歩く・物を持ち上げる・ひねる・かがむ・立ち上がるでの体幹の使い方を考えてみましょう。
どれも 身体を固定したまま耐えるのではありません。
「動きながら支える」使い方がほとんどです。
・プランクは「止めて耐えるタイプの体幹の使い方」
・横隔膜ストレッチは「実際の日常動作に近い、動かしながら支える体幹の使い方」
という違いがあります。
腰痛は動きの中で起こることが多いです。
その意味でも痛くない範囲で、呼吸と一緒に動かしながら体幹を使うほうが、脳にとっての「安全な動きの経験」になりやすいと考えています。
4.簡単腰痛体操は「無理せず・合うものだけ」続けよう
今回ご紹介した3つの簡単腰痛体操を1回行って長年の腰痛が一気にスッキリ改善する。
ということは正直あまり期待できません。
なんでも継続して続けることが大事です。
-
痛みが少し軽くなる
-
動かしやすい角度が広がる
といった変化が少しでも出ているなら、あなたの身体に合っているサインかもしれません。
その時は、無理のない範囲で継続してみてください。
この簡単腰痛体操を続けることで、
-
力の抜き方がわかってくる
-
「痛くない範囲」が少しずつ広がる
-
動かしながら行う体幹トレーニングになる
といった効果が期待できます。
一方で、効果がない、または悪化する場合は、今の身体には合っていないと判断して中止して下さい。
合う体操だけを残していくことが何より大切です。
5.「自分に合う腰痛体操を見つけたい」という方へ
腰痛体操やセルフケアは、人によって「合うもの・合わないもの」が大きく違います。
ぎの整体院では、その人ごとに合う腰痛体操を一緒に探して、ご自宅で続けやすい形でお伝えしていきます。
あわせて読みたいページとして、下記もあります。
脳と神経から整える神経学トレーニング
運動療法(神経学トレーニングの一例)
脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
「腰痛を、からだだけでなく脳と神経からも見直したい」という方は、ぜひご覧ください。
つらい腰痛でお悩みの方や、「自分に合う腰痛体操を探したい」という方は、一人で抱え込まず、ご相談ください。
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