ロキソニンが効かない腰痛の改善方法|薬だけに頼らない脳と神経の視点

腰痛

「病院でロキソニンを出してもらったのに、あまり効いている気がしない」
「飲めば少し楽だけど、すぐ元に戻ってしまう…」
こうした不安を抱えて来院される方は、とても多いです。

今回は、下記をできるだけ専門用語を減らしてお話していきます。

  • ロキソニンが効きやすい腰痛・効きにくい腰痛の違い

  • 「ロキソニンが効かない=もうどうしようもない」ではない理由

  • ぎの整体院が考える、薬以外から腰痛にアプローチする方法

※このページは「薬をやめましょう」という内容ではありません。
薬の使用・減らす・やめるといった判断は、必ず担当医と相談してください。

1.ロキソニンはどんな腰痛に効きやすいのか

ロキソニン

1-1.ロキソニンの役割(ざっくり)

ロキソニンは、消炎鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs)と呼ばれる種類の薬です。

  • 炎症が起きたときに作られる「プロスタグランジン」という物質の産生を抑える

  • その結果、腫れ・熱感・痛みを和らげる方向に働く

という仕組みが知られています(腰痛診療ガイドラインなど)。

つまりロキソニンは、「炎症による痛み」を一時的に弱めることが得意な薬になります。

1-2.ロキソニンが効きやすい腰痛の例

ぎっくり腰

炎症がはっきりしている腰痛では、ロキソニンが「つらさを和らげるサポート」として役立ちます

たとえば、次のようなケースです。

  • いわゆる「ぎっくり腰」(急にグキッとなった直後〜数日)

  • 腰の打撲・捻挫などケガの直後

  • 圧迫骨折など、明らかな外傷があり炎症が強い時期
    (※薬だけでなく医療機関での治療が最優先です)

ただし、痛みの原因そのものを完全に治す薬ではありません。

炎症が強い初期の痛みを弱めて、日常生活を送れるように手助けする役割です。

2.ロキソニンが効きにくい腰痛のタイプ

一方で、腰痛で悩む方の多くは下記ではないでしょうか。

  • 「ロキソニンを飲んでも、あまり変わらない」

  • 「一時的には楽になるけれど、すぐ戻る」

ここでは、代表的な4つのパターンに分けて考えてみます。

2-1.ロキソニンが効きにくい腰痛① 慢性腰痛

3か月以上続く腰痛は、医学的には慢性腰痛に分類されます。

日本の腰痛診療ガイドラインでも、慢性腰痛の多くは「原因を一つに特定できない非特異的腰痛」とされています(2019年版)。

急性期の炎症は落ち着いていても、次の要素が重なり痛みが続いているケースが多くあります。

  • 腰まわりの筋肉に力が入りっぱなし

  • 動かしづらさやこわばり

  • 長時間同じ姿勢でいる負担

  • 脳や神経が「危険」に敏感になっている

この場合の主な要因は、「今そこで炎症が起きていること」ではなく「筋緊張や神経の過敏さ」です。
そのため、炎症を抑えるロキソニンでは、変化が出にくいと考えられます。

このあたりのメカニズムについては、
脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
で、より詳しく解説しています。

2-2.ロキソニンが効きにくい腰痛② 神経へのストレスが中心タイプ

ヘルニア

神経への圧迫や、通り道の狭さが関わっている腰痛もあります。

代表的なものが下記です。

  • 腰椎椎間板ヘルニア

  • 腰部脊柱管狭窄症

  • 坐骨神経痛を伴う腰痛

椎間板の変性・突出、椎間関節や靱帯の肥厚、脊柱管内部のスペースの問題などで、神経に圧迫ストレスがかかっていることが一つの要因です。

これらの腰痛は、炎症が強い時期にはロキソニンで一時的に楽になることもあります。

しかし、長期的には神経自体が敏感になる。
脊髄・脳の痛みの回路が過敏になる。
といった変化が加わり、「飲んでもすぐ戻る」「量や種類を増やしても根本からは変わらない」となります。

こうした「神経へのストレス」と「脳の過敏さ」が関わる腰痛については、
脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
腰痛がマッサージで良くならない理由|脳と神経から考える慢性腰痛のメカニズム
で、より詳しく解説しています。

2-3.ロキソニンが効かない腰痛③ 内臓・感染症・腫瘍などによる腰痛

尿路結石

腰の痛みの中には、内臓の病気・感染症・腫瘍などが原因なのも含まれます。

一例として、下記です。

  • 腎盂腎炎・尿路結石などの泌尿器疾患

  • 急性膵炎・消化性潰瘍などの消化器疾患

  • 子宮筋腫・子宮内膜症など婦人科系疾患

  • 脊椎の感染(化膿性脊椎炎など)

  • 脊椎腫瘍・転移性骨腫瘍 など

このような腰痛では、
・じっとしていても強い痛みが続く
・夜間に痛みが強くなる
・発熱を伴う
・原因不明の体重減少が続く
などがみられることがあります。

この場合は、ロキソニンで様子を見るのではなく、医療機関での検査と治療が最優先です。
「いつもの腰痛と違う」
「内臓かな?と不安になる」
そんなときは、整体ではなくまず整形外科や内科などで相談してください。

2-4.ロキソニンが効かない腰痛④ ストレスや感情の影響が大きいタイプ

精神的ストレス

精神的なストレスや不安、我慢している感情などが強いときにも、腰痛が出ることがあります。
このような腰痛は心因性腰痛と呼ばれることもあります。
心と身体はつながっていて、心身相関と言われます。

腰痛ではありませんが、イメージしやすいのが次の例です。
学校に行きたくない子どもが、家を出るタイミングになると急にお腹が痛くなる。
お腹そのものに大きな異常がなくても、「学校に行きたくない」「不安だ」というストレスが、身体の不調として表に出ている状態です。

腰痛も同じで下記が重なると、脳が「危険だ」と判断しやすくなります。
その結果として腰痛というサインを強めることがあります。

  • 仕事や人間関係のストレス

  • 将来への不安

  • 痛みに対する強い恐怖

  • 「また動いたら悪化するのでは?」という心配

ロキソニンは、炎症や痛みの物質(プロスタグランジン)を抑える薬であって、心のストレスや不安を直接やわらげる薬ではありません。

そのため、ストレスや感情の影響が大きいタイプの腰痛では、飲んでもその場しのぎにしかならない。
または、まったく効かないように感じるといった状況になりやすくなります。

決して、心の問題だけが原因と言いたいわけではありません。
身体だけでなく、脳の不安やストレスも一緒に見ていく必要がある腰痛タイプもあります。

こうした「脳の不安が痛みを強める仕組み」については、
脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
でも、もう少し詳しく解説しています。

3.腰痛は「脳の危険判断」というサインでもある

ここからは、ぎの整体院が大切にしている「脳と神経」の視点を少しだけ加えていきます。

3-1.脳はいつも「安全か危険か」を判断している

腰や背中からの情報だけでなく、脳には常にさまざまな情報が届いています。

  • 腰・背中・脚などの筋肉や関節・神経からの刺激

  • 過去に腰を痛めた経験

  • 「またギックリ腰になったらどうしよう」という記憶や不安

  • ストレス・睡眠不足・疲労など、その日のコンディション

  • 「仕事を休めない」「家族に迷惑をかけられない」といったプレッシャー

これらすべてをまとめて、
・このまま動き続けても大丈夫そうか?
・そろそろブレーキをかけておいた方がいいか?
を、脳が一瞬で判断していると考えられています。

その判断結果で下記のように出力としての反応が変わります。

  • 危険と判断 → 痛み・筋肉のこわばり・動きにくさ などのブレーキ信号を出す

  • 安全と判断 → ブレーキを出さず、動かしやすい状態を保つ

この枠組みについては、先ほどの
脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
でも、図を使いながら説明しています。

3-2.「反らす=痛い」が積み重なるとどうなるか

例えば、上半身を反らしたときに腰が毎回痛い。
それでも「動かさないと固まる」と言われて、痛みを我慢しながら何度も反らしているという状態が続いたとします。

この時、脳には下記の悪い(危険)情報がたくさん入力されることになります。

  • 「反らす動きをすると毎回痛い」

  • 「反らす=危険かもしれない」

すると脳は、「痛くなる角度まで反らされる前に、早めに止めておこう」と判断します。
その結果、
以前より浅い角度で早めに痛みを出してブレーキをかけるようになっていきます。

この段階では、炎症そのものはそれほど強くない場合も多いです。
脳の危険判断や神経の過敏さが、腰痛を長引かせている可能性があると考えています。

4.ロキソニンが効かない腰痛へのアプローチ(当院の考え方)

4-1.「危険情報」だけでなく「安全情報」を増やしていく

ロキソニンが効きにくい腰痛をどう改善するか。
ぎの整体院では、脳に入る情報を、「危険」から「安全」に変えることを大切にしています。

その一つが、「動かしても痛くない」という経験を、意図的に増やしていくことです。

  • どの方向・どの角度で腰が痛むのかを確認する

  • その中で「痛くない範囲」「怖くない範囲」を見つける

  • その範囲で、呼吸を止めずに小さく動かす

といったやり方で、「この角度なら大丈夫」「さっきより少し楽に動ける」という安全な経験を、脳にくり返し覚え込ませていきます。

このときのポイントは、「多少痛くても我慢して伸ばす」ことではありません。
「痛くない範囲の中で何度も動く」ことです。

この考え方を使った簡単な腰痛体操については、別記事で紹介しています。
ツライ腰痛も簡単な腰痛体操で症状軽減|脳と神経から見た動かし方のコツ

4-2.神経ストレッチや神経学トレーニング

ぎの整体院では、強く引き伸ばすストレッチや、痛みを我慢して行うセルフケアは基本的に行っていません。

代わりに、ソフトタッチの整体と下記のセルフケアを組み合わせてロキソニンが効かない腰痛の改善を目指します。

  • 神経ストレッチ(神経にかかるストレスを、伸ばす・緩める動きを通して整える)

  • 目や三半規管(前庭系)からの入力も含めた神経学トレーニング

  • 軽い運動療法(神経学トレーニングの一例としての運動)

セルフケアでは「この動きなら痛くない」「さっきより動かしやすい」という安全な成功体験を、少しずつ積み重ねていくことが大事です。

それぞれの考え方については、下記のページでも詳しくご紹介しています。
神経ストレッチの目的と注意点
脳と神経から整える神経学トレーニング
運動療法(神経学トレーニングの一例)
ボディマッピングとは?

5.「ロキソニンが効かない腰痛」でお悩みの方へ

最後に、大事なポイントをコンパクトにまとめます。

  • ロキソニンは、「炎症による急性の痛み」を一時的に和らげるのが得意な薬

  • 慢性腰痛等は、薬だけで根本から変えるのは難しい場合が多い

  • 内臓疾患や感染症・腫瘍などが疑われる腰痛では、まず医療機関での検査・治療が最優先

  • ロキソニンが効かない腰痛は、脳と神経の視点から改善を目指す選択肢もある

現在ロキソニンなどの薬を使用中の方は、自己判断で中止せず、必ず担当医と相談してください。

そのうえで、
「ロキソニンを飲んでも腰痛が続いて不安」
「検査では大きな異常はないと言われたのに、痛みが長引いている」
「薬と湿布だけで様子見と言われたが、別の視点から整えたい」
と感じておられる方は、あわせて次のページも読んでみてください。
脳と神経から考える慢性腰痛|ボディマップと中枢性感作の視点
腰痛がマッサージで良くならない理由|脳と神経から考える慢性腰痛のメカニズム
神経ストレッチの目的と注意点

ロキソニンが効かない腰痛でお悩みの方は一人で抱え込まず、薬だけに頼らず脳と神経の働きから腰痛を見直すという選択肢があることも覚えておいてください。

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