野球肘とは
野球肘とは投球動作時に起こる肘の痛みで、投手に多くみられます。
野球肘は一般的な総称で、正式な名称は肘の損傷部位によって異なります。
リトルリーガー肘、リトルリーガーエルボー、ベースボール肘、ベースボールエルボーとも呼ばれていますが同じです。
投球時の肘の激しい痛みでボールが投げられなくなります。
日常生活でも肘の曲げ伸ばしが出来ない等の症状があります。
肘に負担のかかるフォームでの投球、過度の投球練習により野球肘へとなります。
野球肘は10代に多いですが大人でも発症します。
また、似た症状として、テニス肘があります。
投球時に肘にかかるストレス
投球時に肘は図のように約70~80°で曲がった状態です。
肘の内側には内側側副靭帯があり肘の安定を保っています。
投球時は、内側側副靭帯が両端に引っ張られて、大きな負担(内側の外反ストレス)がかかります。
肘の外側は内側型とは反対に中心に縮まる力(外側の圧迫)がかかります。
それにより、肘の上下の骨がぶつかってダメージを受けます。
野球肘の分類
野球肘は痛む箇所により、内側型と外側型に分類されます。
内側型
内側の外反ストレスにより内側側副靭帯が部分断裂したり緩んだ状態を、内側型と呼びます。
重症化すると内側側副靭帯や筋肉(屈筋群)に引っ張られて、上腕骨の一部(上腕骨内側上顆)が剥がれて(剥離骨折)しまいます
内側型の主な症状
・肘の内側がズキズキ痛む
・肘を曲げると痛み又は曲げられない
外側型
肘の外側の圧迫により上腕骨小頭と呼ばれる部分が軟骨と一緒に剥がれた状態(遊離体)を外側型または、離断性骨軟骨炎と言います。
重症化して剥がれたり欠けたものが、ネズミのように動き回って悪さをすることから、関節ネズミとも呼ばれます。
外側型の主な症状
・肘の外側の痛み
・投球中(投球後)の肘関節周辺の鈍痛
・肘が伸ばしづらい
投球動作の分解
投球動作は下図のように分類できます。
最初にワインドアップ期がありますが、野球肘とは関係が薄いため割愛しています。
投球側の肩・肘にはコックアップ期(前・後期)からアクセラレーション期で大きな負担がかかるため、この時期での障害が多くなります。
コックアップ期には、肘を曲げた状態で、肩と肘に外に捻る力がかかります。
アクセラレーション期には外に捻られてた状態から、一気に内側に捻っていきます。
この時に肘の内部で圧迫や引き離しの力がかかり骨や内側側副靭帯にストレスが蓄積されて野球肘となっていきます。
簡単な野球肘の検査
肘関節の動きを確認する比較的に簡単に行える野球肘の検査法です。
肘の正常な動きは、曲げれば150°、伸ばすと少し反る程度の-5°。
下図の回内・回外90°がわかりにくいですが、肘を90°に曲げて手掌が真下・真上を向くかで判断して下さい。
肘の動く範囲が、上記の角度と同じように動くか?
関節・軟骨・骨・靭帯・筋肉等に異常があれば、ひっかかり・痛み・違和感・可動域制限(最大限動かせない)の症状が出ます。
※検査の一例になりますので、最終的な診断は病院で受けて下さい。
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